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トレーニングや研修におけるゲーミフィケーションは、従業員のエンゲージメントを60%向上させると、データが証明しています。つまり、トレーニングが適切にゲーム化されれば、すぐに飽きてコース受講をやめてしまう社員も、トレーニングを続け知識やスキルを身につけることができるようになります。結果、生産性の向上につながります。

本記事では、ゲーミフィケーションの意味や基礎を解説し、導入事例をご紹介します。あわせて、ゲーミフィケーションの実施方法や注意点も解説します。この記事を読み終えることで、ゲーミフィケーションの理解が深まり、また、研修への具体的な導入方法がわかり、社員のエンゲージメントを向上させ生産性を上げることができるようになります。

目次

ゲーミフィケーションとは?

ゲーミフィケーションを企業研修に利用するメリット

ゲーミフィケーションの基礎

ゲーミフィケーションを実施する方法

ゲーミフィケーションの事例

ゲーミフィケーションの注意点(すべきこと・すべきでないこと)

まとめ

まずは、ゲーミフィケーションの意味から確認していきましょう。

ゲーミフィケーションとは?

ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素(レベル、ポイント、チャレンジなど)を、ゲーム以外の場面に応用するプロセスのことです。「ゲーム化」とも呼ばれています。ゲーミフィケーションの主な目的は、義務的、日常的、形式的な作業をより簡単に、より楽しくすることにあります。この20年間で、ゲーミフィケーションは私たちの日常生活のさまざまな場所で利用されるようになりました。行政のルーティンワーク、企業のロイヤリティプログラムなどでも利用されています。ゲーム要素を取り入れることにより、社員のエンゲージメントは向上します。

最も有名な例として、スウェーデンのドライバーを対象とした速度制限抽選会があります。ゲーム的な要素がいかにコンプライアンスを向上させるかを実証しています。制限速度の遵守を促すため、交通安全当局は特殊なレーダーカメラを設置しました。このカメラを利用し、制限速度を超えて運転したドライバーにはペナルティを与え、制限速度を守ったドライバーには抽選券を発行。抽選券の賞金は、ペナルティを受けたドライバーが支払った罰金から捻出されました。

スウェーデンでゲーミフィケーション活用の事例

ゲームの要素を取り入れることで、ドライバーの競争心を煽り、制限速度を守らせる。その結果、ドライバーは安全運転を心がけるようになったのです。

eラーニングでは、既存のビデオゲームを教育目的に活用するケースがあります。例えば、有名なゲーム「マインクラフト」は、「マインクラフト教育版」を発売しました。 K-12の学習者を対象にした「教育版」です。生徒たちが楽しみながら、コンピュータサイエンス、言語、社会貢献など25種類の科目を学び、ソフトスキルを身につけられることを目的としたプロジェクトです。

マインクラフト 教育ゲーム

マインクラフトは、教育コンテンツを利用してゲームを改良しました。それがゲームベースドラーニングと呼ばれるているものです。反対に、ゲーミフィケーションはその逆の流れになります。ゲーミフィケーションでは、オンラインコースなどの学習教材を、ゲームの要素でアップデートしていきます。

ゲーミフィケーションを企業研修に利用するメリット


「アンバサダー」と呼ばれる新たな功績を称えるジョン。同僚のマイケルを上回るスコアを叩き出し、トップ3入りを果たしました。これは、World of Warcraftや似たゲームのことではありません。ジョンとマイケルは小売業で働くマネージャーです。彼らが夢中になって進めているのは、「サービス基準」というトレーニングプログラムです。


上記は、企業研修におけるゲーミフィケーションの一例です。「サービス基準」なんて、面白くなさそうですよね?また、面白くあるべきでもありません。しかし、ゲーミフィケーションを利用すれば、重大な規律を学び、コースを継続し、知識を得るための動機を社員に与えることができます。

行動学に基づくと、ゲーミフィケーションは学習者のポジティブな感情やモチベーションを刺激します。そのため、学習者は感情移入しやすくなり、プロセスをより楽しむことができます。結果、より良い学習(より良い仕事)をしたいと思うようになります。

ゲーミフィケーションは、人々の切磋琢磨を促すことを目的とし、エンゲージメントを向上させるだけでなく、生産性を高めます。事実、マイクロソフトは、コールセンターオペレーターの生産性を10%向上させることに成功しました。同社は、面倒で過剰な電話対応に苦労し、トレーニングを諦めていたコールセンターのオペレーターの改善にゲーミフィケーションを利用しました。「Making Agents Great」キャンペーンを行い、全オフィスで最も優秀なオペレーターのリーダーボードを設置。結果、研修や業務で最も多くのポイントを獲得したオペレーターは、広く認知されるようになりました。そして、オペレーター同士は切磋琢磨し、社会的に認められることで知識の定着がよくなり、より効果的な仕事ができるようになりました。

スコアやリーダーボードは、学習者にとって具体的で見やすい成果として機能します。また、講師やコースインストラクターは、学習者の進歩をすばやく簡単に観察することができます。講師は、誰が成績不振なのかを常に意識し、ちょっとした後押しをすることができます。

まとめると、ゲーミフィケーションがビジネスにもたらすメリットには、次のようなものがあります。

  1. 社員の学習意欲と反復作業への取り組み方を向上させる
  2. プロセスから得られるポジティブな感情、感情移入、楽しみにより社員のエンゲージメントを高める
  3. 社員の成果や進歩を測定・観察しやすくする

ゲーミフィケーションの基礎

ゲーミフィケーションは、ゲーム要素、プレイによる感情的なアウトプット、行動パターンなど複数の領域を含んでいます。ゲーム要素とは、あらゆるゲームの基礎となる仕組みのことです。そのため、ゲームメカニクスと呼ばれています。ゲーム要素は、プレイヤーの特定の感情的な反応、つまり特定の行動を促進します。この3つの領域について、ひとつひとつ見ていきましょう。

ゲーミフィケーションの基礎

■ゲームメカニクス

ゲームメカニクスには、ポイント、難易度や習得度、実績(バッジ)、ベストプレイヤーの評価(リーダーボード)、報酬、プログレスバー、チャレンジなど、認知されやすい要素があります。これらは、トレーニングコースに初めに活用する要素で、コースの新しいメカニクスになります。そして、プレイヤーが課題を克服し、ポイントを獲得すると、あるストーリーや物語に位置づけられることになります。つまり、ストーリーテリングもゲームメカニクスの重要な要素になります。

■学習者の感情状態

ゲーム化されたプロセスにおいて、感情状態は、ゲームメカニクスが私たちに感じさせるものであり、私たちがゲームから期待するものです。例えば、予期せぬ報酬やボーナスは、興奮と驚きや達成感をもたらします。このような喜びを期待することで、ゲームを続けたいと思うようになります。

もう一つの例は、何らかのプロセスが不完全であるという感覚です。テレビシリーズを2日間連続で夢中になって見たときのことを思い出してください。ゲームやその仕組みも同じです。ミッションがまだ達成されていない、あるいはいくつかのレベルが今アンロックできる、この感覚が私たちをゲームに戻らせます。

感情状態がうまくデザインされたゲーミフィケーションは、学習者のフロー状態を作り出すことができます。フロー状態とは集中している状態のことです。フロー状態になれば、人は目の前のタスクに集中するようになり、どんなに困難なタスクであっても、完全に没頭し、簡単に気が散ることはありません。

■プレイヤーの行動

プレイヤーの行動とは、プレイヤーがゲームメカニクスに従う方法、プレイ中にどのように行動し、相互作用するかということです。例えば、競争心が強くなり、相手の勝利や自身の敗北を認めたくないプレイヤーもいます。「サービス基準」コースで、同僚に勝ちたがるジョンを覚えていますか?彼が良い例です。

また、好奇心旺盛になり、ゲームの世界を探検し、ゲームのアイテム(私たちの場合は知識)を持って帰りたいという人もいます。これは、ポケモンGOのプレイヤーが、隠れたポケモンをすべて見つけるために周囲を探索することを連想させます。好奇心が旺盛な人は、「エウレカ」な瞬間に駆り立てられ、新しいことを試したくなります。そのため、好奇心が旺盛な人はゲーム化された新しいコースのテスターとして最適です。

ゲーミフィケーションのコアドライブ

ゲーミフィケーションの先駆者の一人である起業家のYu-Kai Chou氏は、ゲーミフィケーションのプロセスにおける感情や行動を8つの「コアドライブ」と定義し、「オクタリシス」というフレームワークの中に位置づけています。Yu-Kai Chouによると、下記のコアドライブが私たちを最もやる気にさせる要因です。

  1. 壮大な意味 コミュニティに影響を与えるという個人的な使命感です。自分の存在価値を感じることができます。
  2. 達成感 難しかったことをマスターしたという、自己改善の感覚です。
  3. エンパワーメント 問題の解決策を考え、その結果を確認し、すぐにフィードバックが得られる状況。権限が与えられ、自発的に行動できる感覚です。
  4. 所有 所有したいと思う気持ちです。例えば、プレイヤーはより多くのポイントや他の仮想通貨を欲しがるかもしれません。あるいは、ゲームの主導権を握りたいかもしれません。
  5. 社会的影響力 社会的認知、自分に対する人の評価や報酬。
  6. 希少性 手に入らないもの、手の届かないものを欲しがる感情。目標を追い求め、挑戦し続けるための強力な原動力となります。
  7. 予測不可能性 次に何が起こるかわからないということ。今度こそは勝てるかも?と感じることができます。
  8. 回避 失敗することを恐れる感情です。例えば、トレーニングでの時間制限は、私たちを急かします。急がないと、タスクが失敗に終わってしまうからです。
ゲーミフィケーション モチベーションの要因

ゲーミフィケーションは目には見えないものを含んでいるとなると、疑問が湧いてきませんか。ゲーミフィケーションによるトレーニングで、受講者の実際の感情反応や行動パターンはどうなるのでしょうか?専門家によると、推測するしかないそうです。人はそれぞれ異なり、特定の要因に左右されるため、反応もさまざまです。しかし、人々が学習意欲を感じ、パフォーマンスが向上する限り、ゲーミフィケーションが機能していることを意味しています。

ゲーミフィケーションを実施する方法

ゲーミフィケーションは、主に2つの方法で実施できます。具体的には、コンテンツに焦点を当てる方法と、構造に焦点を当てる方法です。

  1. コンテンツのゲーミフィケーション コンテンツのゲーミフィケーションは、コンテンツ制作から始まります。コンテンツは、あるストーリーに基づいたものです。学習者はこの物語の中を旅し、クエストに挑み、知識を得ます。
  2. 構造的なゲーミフィケーション コンテンツ自体はゲームでなくても、そのプロセス自体がゲーム化されていることがあります。それが構造的なゲーミフィケーションです。コースを学習している間、ユーザーはクイズを受け、ポイントやバッジを獲得し、リーダーボードを登っていく。既存のコースをゲーミフィケーションするための、迅速で簡単な方法です。次に、この2つを詳しく見ていきましょう。

コンテンツのゲーミフィケーション

コンテンツのゲーミフィケーションとは、コンテンツをよりゲーム的にすることです。より正確には、ストーリーを作り、キャラクターを追加し、学習者の興味を引きモチベーションを高めるための課題を構築します。そうすることにより、オンライントレーニングをクエストや探偵小説、旅のように見せることができます。コンテンツのゲーミフィケーションがどのように機能するか、言語学習プラットフォームLingualeoが見事に作り上げたラーニングジャーニーを見てみましょう。

Lingualeo 進捗度 スクリーンショット

Lingualeoは、英語とその他の外国語を学習するためのユーザーフレンドリーなプラットフォームです。中国語、スペイン語、フランス語なども学べます。このプラットフォームは、コンテンツのゲーミフィケーションを実践している最も有名な例の一つです。言語環境を探求するために作られたもので、イマージョンメソッドという学習方法を採用しています。彼らのゲーミフィケーションへの道のりの4つのマイルストーンを検証してみましょう。

魅力的なストーリーの作成

Lingualeoの世界では、英語というジャングルの中で私たちを歓迎し、導いてくれる幼いライオン「レオ」に出会います。学習者はこのジャングルを探索し、自分の好みに合わせて調整することができます。例えば、慣れ親しんだ単語が並ぶ安全な場所にすることも、高度な語彙が並ぶ挑戦的な場所にすることも可能です。つまり、学習の道筋を自分でコントロールできます。

私たちはレオの旅について行き、彼の人生の小さなエピソードを見ていきます。ある意味、私たちはレオに責任を持つことになります。私たちが語学研修を進めるにつれて、レオも成長し、変化していきます。かつて若く未熟なライオンだった彼は、成熟したレオ・トゥリストになります。キャラクターを育てることも、ストーリーテリングの長所と言えます。

Lingualeoのクリエイターは、この場所が本当に特別な場所であることを感じさせ、ユーザーを日常から脱出させるために、プラットフォームのメニューやコンポーネントに特別な名前を使いました。例えば、コンテンツライブラリーは「ジャングル」、コミュニティは「プライド」、ゲーム通貨は「ミートボール」です。

タスクでモチベーションを向上

Lingualeoでの学習は、ただコンテンツを読み解くだけではありません。学習者は皆、タスクに挑戦し、経験値を得る必要があります。タスクとは、「ジャングルで歌を探してください」とか「知らない単語を5つクリックしてください」といったものです。学習セッションの最後には、ポイントやレオの新しい服のバッジを獲得することができます。Lingualeoのもう一つの挑戦は、1日もトレーニングを欠かさずに行うことです。毎日来て勉強を続けようというユーザーのモチベーションを高めています。

Lingualeoの挑戦

フィードバックループを導入

フィードバックループは、システムがプレイヤーを促進したり、罰したりする方法として説明することができます。「アメとムチ」のようなアプローチです。例えば、タスクを完了する時に、あなたはレオに「餌」を与えます。タスクがうまく完了していれば、レオは嬉しくてお腹がいっぱいになります。ポジティブなフィードバックのループ、つまり「アメ」です。一方、「トレーニングを1日もサボらない」というチャレンジは覚えているでしょうか。これはより大きなミッションで、レオが一歩一歩進まなければならない、地図上の一連のスポットと連動しています。もし学習者が1日でも休んだら、レオはミッションに失敗し、もう一度やり直さなければなりません。負のフィードバックループである「ムチ」です。

失敗する自由を促進

ビデオゲームの大原則のひとつは、何度でもやり直しがきくことです。プレイヤーが「マルチライフ」について話していたのを覚えていますか?ゲーム化された学習では、それを「失敗する自由」と呼びます。ここでは、失敗することは問題ありません。失敗する自由があるので、何度も何度も挑戦し、プロセスに戻ることができます。

失敗する自由は、未完成の感覚と密接な関係があります。学習者は、タスクを完了したいし、失敗も避けたいと思うものです。Lingualeoでは、学習者は定期的にタスクを完了しレオを養わなければ、進歩を失う可能性があります。しかし、レオには複数の人生があり、学習者は学習パフォーマンスを向上させるために何度も試行錯誤することができます。タスクを完了するたびにギフトを受け取ることができ、短期的な達成感を感じ、喜びも感じることができます。

コンテンツのゲーミフィケーションとiSpring

Lingualeoのような複雑なゲーム化プロジェクトを開発するには、かなり手間がかかります。さらに、開発者、デザイナー、ライターなど、本格的なチームが必要です。オンライン学習コンテンツをゲーム化する方法は、他にはないのでしょうか?いいえ、もっと簡単な方法があります。その方法とは、iSpring Suite Maxのようなコース作成ツールを利用することです。

iSpringでは、ストーリー性のあるコース、ポイント付きのインタラクティブなクイズ、ロールプレイなどを簡単に作成することができます。ツールキットには、あらゆる学習状況や業界に適合する、69,000以上のすぐに使えるキャラクター、背景、アイコン、スライドテンプレート、オブジェクトを含むコンテンツライブラリが付属しており、eラーニングコンテンツをすぐに構築することができます。

iSpring Suite Max 内のキャラクター

また、iSpringでは、学習者の興味を引くために、分岐するシナリオを持つコースを作成することができます。学習者の選択によってストーリーの展開や結末が変化するものです。状況に応じて起こりうる結果を示します。例えば、鉄鋼会社のNLMKは、従業員向けのコンプライアンスコースを作成し、分岐シナリオを使用して、ガス処理に対する安全でないアプローチの結果を示しました。訓練生が間違った対処法を選択した場合、その選択によるネガティブな結果を説明するスライドを表示します。

iSpring Suite Maxでのゲーミフィケーション

さらに、iSpringでは、コースを楽しい物語にするために、対話シミュレーションを作成することができます。これは、学習者が仮想の人物にどのように返答するかを選択するロールプレイです。不満のある顧客や潜在的な顧客に対して、実生活で行うのと同じように対応することが想定されています。対話シミュレーションは、コミュニケーションスキルの練習と向上に役立ちます。

iSpring Suite Max 対話式氏シミュレーション

iSpringで学習をゲーム化するもう一つの方法は、14の質問タイプでインタラクティブなクイズを作成することです。複数回のチャレンジを許可して、トレーニング内での「やり直し」を促しましょう。フィードバックループとして、正解者にはポイントを与え、クイズに不正解の場合は減点するペナルティを設定します。

また、オブジェクトを使ったオンラインクイズを作ったり、見逃したアイテムでコースをミステリーに変身させたりすることもできます。コンプライアンス・トレーニングを魅力的にする方法の例を見てみましょう。下記の火災安全コースでは、適切なオブジェクトを見つけ、それをシステムブロックにドラッグして消火するよう促しています。

iSpring Suite Max ドラッグ・アンド・ドロップ クイズ

ゲーミフィケーションの構造パーツ

構造的なゲーミフィケーションの場合、既存の学習教材を作り直す必要はありません。ゲーム的に改変する必要はなく、トレーニングのプロセスそのものをゲーム化します。具体的には、ポイント、バッジ、リーダーボードのシステム、つまりPBLの三位一体のシステムを追加します。

PBLの追加は、学習管理システム(LMS)で、簡単に行うことができます。LMSとは、eラーニングコンテンツを保存し、受講者をコースに登録し、進捗状況を評価することができるオンラインプラットフォームです。多くのLMSはゲーミフィケーションをサポートしており、評価にゲームの仕組みを利用することができます。iSpring Learn LMSを例に、PBLトライアドをどのように活用できるのかを見てみましょう。

ポイント

学習者はポイントを獲得し、互いに競い合うことができます。学習者がコースを受講し、テスト、課題、シミュレーションを完了すると、学習者にポイントが付与されます。コースごとに10ポイント、テストごとに50ポイントというように、固定ポイントを設定することができます。このポイントは、すべてのコンテンツアイテムに自動的に適用されます。

iSpring Learn ゲーミフィケーション ポイント

バッジ

学習者がコース教材を修了するたびに、バッジを取得することができます。例えば、100ポイントごとに新しいバッジを付与したり、契約管理コースを完了するとすぐに「ベストネゴシエーター」の称号を付与したりすることができます。ゲーミフィケーションの設定では、バッジのリストを表示し、バッジの授与方法に関するルールを設定することができます。iSpring Learnには、素晴らしいバッジのコレクションが組み込まれています。

iSpring Learn ゲーミフィケーション バッジ

定期的にトレーニングの成果を確認し、外部からの報酬を利用して従業員のモチベーションを高めることができます。例えば、ボーナスを支給したり、月間最優秀従業員を表彰したりするのも方法のひとつです。

リーダーボード

リーダーボードは、学習者がより良い結果を得るためのモチベーションを高めます。また、学習者の進捗状況を把握するのにも役立ちます。組織やグループのリーダーボードでユーザーのランクを確認し、成果に応じて学習者を分けることもできます。例えば、製品トレーニングプログラムを修了した上位10名をピックアップし、タレントプールに入れることもできます。

iSpring Learn ゲーミフィケーション リーダーボード

プログレスバー

プログレスバーは、プレイヤーがミッションの達成に向けてどの程度進んでいるかを示すものです。オンライン学習では、コースを修了することがミッションとなります。iSpring Learnのプログレスバーは、非常にクリアではっきりと見えるようになっています。

iSpring Learn 進捗度

ゲーミフィケーションの事例

eラーニングのゲーミフィケーションについては、すでにいくつかの事例をご紹介しました。以下では、オンボーディング、従業員エンゲージメント、スキルアップのためのゲーミフィケーションプロジェクトの成功事例をご紹介します。

ドミノ・ピザがゲーミフィケーションを導入して成功した事例

ドミノ・ピザは、ゲーミフィケーションの実験でよく知られています。同チェーンでは、オンボーディングや入社時のオンラインコースを入念に設計しています。彼らは「ピザメーカー」というゲーミフィケーションのマイクロラーニングコースを立ち上げました。新入社員は、ピザ作りのシミュレーションをしながら記録を更新することに努め、ベストスコアを競い合います。その結果、レシピの知識やスキルをより早く向上させることができます。

しかし、ドミノ・ピザがオンボーディング時間を大幅に短縮したのは、今に始まったことではありません。同社のモバイルアプリケーションは、おいしいピザ作りを練習するためのゲームでした。あまりに人気があったため、同社は優秀な成績を追跡するようになり、優秀なプレイヤーには頻繁に仕事を提供するようになりました。プレイヤーは遊んでいる間に、ピザ作りに必要なすべてのことを学び、仕事に臨んでいました。

ドミノ・ピザのゲーム化されたオンボーディングの動画をご紹介します。

ドミノ・ピザの研修

デロイト トーマツの事例

会計業界のBig4の一角を占めるデロイトは、常に自己研鑽を怠りません。デロイトでは、経営幹部向けのリーダーシップスキルの教材を集めた学習ポータルを開設しました。しかし、最高の教育機関のコンテンツでさえ、人材を深く惹きつけるには十分ではありませんでした。そこで、ポータルサイトにゲーム性を持たらせます。

その解決策は、毎週更新されるリーダーボードを導入するという、非常にシンプルかつ斬新なものでした。現在、リーダーボードは学習者の進捗をポータルサイト上のランクと評判とともに可視化しています。シニアエグゼクティブは、自分のプロフィールで、コンテンツをうまくマスターしたときに得られる報酬を示すことができ、他の人が達成した成果を見ることができます。これにより、シニアエグゼクティブのリーダーシップトレーニングへの取り組みが促進されました。

デロイト トーマツ リーダーシップアカデミー

ゾンビ・アポカリプス・シリーズの事例

ゾンビ・アポカリプス・シリーズは、ゲーミフィケーションの世界的権威であるカール・カプ氏と共同で開発されたものです。このシリーズは、ゾンビ・アポカリプスというファンタジーな環境の中で、営業、金融営業、インストラクショナルデザイン、教育工学のスキルトレーニングを行うものです。これらのバージョンはほとんどがカードゲームですが、「ゾンビ・セールス・アポカリプス」は代表的なプロジェクトであり、ビデオゲームとして利用できます。ゲーム内では、学習者(営業担当者)は、組織の信頼できる販売モデルを使って、ゾンビを説得し、ウイルス対策を購入させる必要があります。

ゲームの会話要素はカスタマイズ可能で、特定の販売モデルに基づくことができます。また、設定と合わせて、学習者を没入させる強力なストーリーを構成しています。営業担当者が行った選択は、追跡して分析することができます。もちろん、ゾンビのストーリーは失敗の恐ろしさを増幅します。ゾンビ・アポカリプスシリーズは、デフォルトで失敗する自由の側面を含んでいます。

ゾンビ・アポカリプス・シリーズ スクリーンショット

ゲーミフィケーションの注意点(すべきこと・すべきでないこと)

ゲーミフィケーションを社内研修で導入する場合、何がその試みを成功させ、失敗させるのでしょうか?今から、すべきこと・すべきでないことをお伝えします。

               
                                     すべきこと                                すべきでないこと
トレーニングに価値を持たせる

研修が社員の目標に合致し、実際に必要とされる知識を与えるものであることを確認します。社員は、なぜこのトレーニングが役に立つのか、その理由を知る必要があります。

企業のニーズを無視する

トレーニングの実施には、トレーニングの目標と企業のニーズを一致させることが第一のルールです。その上で、決定したトレーニング目標に合わせたゲームメカニクスを構築してください。

使命感を確立する

学習者は、勉強する内容とその目的を知れば、コースを修了することが使命になります。オンライントレーニングでは、このような個人の使命感をサポートしましょう。1つの主な目標を、達成すべき特定のタスクに分割します。この主な目標に焦点を当て続けます。

製品改良の代わりにゲーミフィケーションを行う

製品やサービスに改良が必要な場合、ゲーミフィケーションでは問題に対処できません。ゲーミフィケーション戦略を計画する前に、まずは問題を解決してください。

良いストーリーの背景も描く

想像力を駆使して、研修生をその世界に没入させるような研修コースを作りましょう。壮大な伝説、面白い話、架空の人物、バックグラウンドなど、何でもかまいません。

必要ないときに社員を競争させる

ゲーミフィケーションは、コラボレーションが必要なときには機能しないことがあります。例えば、先に紹介したLingualeoでは、同僚同士の評価システムを導入しました。しかし、仕事全体が相互扶助と相互接続に基づいていたため、ここでは競争は適切な解決策ではありませんでした。そのため、チームはシステムを廃止し、自社製品のゲーム要素に注力することにしました。

進捗状況を確認させる

トレーニングの複雑さを少しずつ増していきます。そして、段階ごとに小さな成果を称えます。学習者に、自分が前に進んでいることを実感させましょう。

高すぎるハードルを設定する

ゲームの仕組みが社員にとって難しすぎると、社員はトレーニングをあきらめてしまいます。チャレンジは、失望するほど難しくなく、退屈に感じるほど簡単であってはなりません。短期的に達成感が得られ、さらに上を目指したいと思わせるようなゲームの仕組みを計画しましょう。

フィードバックループを提供する

トレーニングに刺激を加えます。成功したときのプロセスでは、研修生をアピールする仕組みを盛り込みましょう。あるいは、時間制限を設け、不正解の場合は減点するのもひとつの方法です。

社員に外発的報酬を与えない

お金ではなく、承認でサポートするようにしましょう。外発的報酬は毎年の業績評価の一部として提供するのがおすすめです。

サプライズをもたらす

予期せぬ報酬や突然の表彰は、コースを継続するための良い動機付けとなるでしょう。

最初のバージョンのみで妥協する

オンライントレーニングのゲームメカニクスをテストし、修正し、更新し続けましょう。

権限と自信を与える

学習は、学習者がより成長し、より適任になったという実感を与えるものでなければなりません。

自分で試すことを拒否する

まずは自分で試してみましょう。

まとめ

本記事では、ゲーミフィケーションの意味を解説しました。ゲーミフィケーションとはゲーム要素を、ゲーム以外の場面に応用するプロセスのことです。トレーニングや研修にゲーミフィケーションを利用することで、社員のエンゲージメントを高め、生産性を向上させることができます。実際、ドミノ・ピザなど、数々の企業で導入され、生産性の向上につながっています。

ゲームをゼロから開発するには、かなりの時間と労力がかかります。しかし、コース作成ツールiSpring Suite Maxを利用すれば、ストーリー性のあるコース、ポイント付きのインタラクティブなクイズ、ロールプレイなどを簡単に作成することができます。ツールキットには、あらゆる学習状況や業界に適合する、89,000以上のすぐに使えるキャラクター、背景、アイコン、スライドテンプレート、オブジェクトを含むコンテンツライブラリが付属しており、eラーニングコンテンツをすぐに構築することができます。

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